偉大なるスタンダード、ボーイング767の概要

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1982年9月に運航を開始した中型双発旅客機、ボーイング767。開発プロジェクトがスタートしたのは1970年代半ばのことで、オイルショックも767の生い立ちに大きく影響しています。というのも、当初はいにしえの名機ボーイング727やロッキード・トライスターのように、エンジン3発案が検討されていましたし、それを望む航空会社も多かったのです。しかし、燃料費の高騰によりボーイングも航空会社も”経済性に勝る双発機”こそ正義と大きく舵をきったのです。

こうして767は双発エンジンで、ボディサイズは2-3-2の座席配置が可能となる中距離向けの中型機として本格的な開発が始まったのです。ちなみに、前半に”セミワイドボディの中型機”としれっと書きましたが、そのサイズや分類はというと、客室通路が1本ならナローボディ、2本ならワイドボディ。でも、ワイドボディ機に並列搭載できる貨物コンテナが767では並列には積めず、では”セミワイドボディ”と呼びましょう、ということです。

さて、モデルとして設定されたのは座席数180-250席クラスの標準型となる-200、胴体を約6メートル延長して座席数220-290席を確保した-300からスタート、追って航続距離を延長、太平洋横断も可能な約1万1000キロの航続距離を実現した-300ERも用意されました。1999年には-300の胴体をさらに約6メートル延長、1万キロを越える航続距離もあわせ持つ-400ERも登場しています。

現在でも第一線で活躍する機種でさまざまなバリエーションがあるので、ひと言で紹介するのは簡単ではありません。なので、767のスゴイところトリビアをいくつかご紹介しましょう。

●かつて、双発機は空港から60分以上離れて飛行することは許可されていませんでした。つまり、北極や海上を横断するルートは組めなかったのです。767はエンジンの信頼性が増したことからETOPS(Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards)というルールに基づき、1985年に120分まで認定、1989年には180分まで認定されました。ただし、こうした認定は機体ごとに受ける必要があります。

●現在、コクピットで運航に携わるのは機長と副操縦士の2名が一般的ですが、かつては各種計器のチェックや燃料の計算などをを行う航空機関士が乗務していました。767は計器類のデジタル化や操作の自動化を推進することで、操縦士2名での運航を可能にしました。

●767の登場時から空気抵抗が燃費や航続距離に少なからず影響することが分かっていました。そこで長距離型の-300ERは登場後にウイングレットと呼ばれる主翼端に装着する小さな翼が用意されました。すでに納入された機体にも装着可能で、日本で装着された機体もあります。また、-400ERではレイクドウイングチップという後退翼が装着されています。

●-300ERや-400ERに装着されるGE製CF-6-80C2エンジンを普通の乗用車に装備すると、時速0マイルから60マイル(96.5キロ)まで0.5秒以内で加速できるそうです。クルマも身体も驚きそうなパワーですね。

と、ここまで聞けば767の実力がお分かりいただけたかと思います。もし、空港で767を見かけたら、これからはちょっとうっとりとした目で見つめてみてはいかがでしょう。